土壌汚染調査

Investigation of Soil and Groundwater Pollution

概要

 顕在化する土壌汚染の増加などを背景に、「土壌汚染対策法」が平成14年5月29日に公布され、平成15年2月15日より施行され、一定の契機をとらえ土壌汚染状況調査の実施が義務づけられるようになりました。
 土壌汚染対策法では次の3つの場合を契機として土壌汚染状況を把握するための調査を実施することが定められています。

  • ①有害物質使用特定施設の使用を廃止したとき(法第3条)
  •  ●操業を続ける場合には、一時的に調査の免除を受けることも可能(法第3条第1項ただし書)

     ●一時的に調査の免除を受けた土地で、900㎡以上の土地の形質の変更を行う際には届出を行い、都道府県知事等の命令を受けて土壌汚染状況調査を行うこと(法第3条第7項・第8項)

  • ②一定規模以上の土地の形質の変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第4条)
  •  ●3,000㎡以上の土地の形質の変更又は現に有害物質使用特定施設が設置されている土地では、900㎡以上の土地の形質の変更を行う場合に届出を行うこと

     ●土地の所有者等の全員の同意を得て、上記の届出の前に調査を行い、届出の際に併せて当該調査結果を提出することも可能(法第4条第2項)

  • ③土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第5条)

 土壌汚染対策法で調査対象となるのは、人為等由来の汚染のおそれがある土地のほか、自然由来、水面埋立て土砂由来の汚染のおそれがある土地も含まれます。調査対象地では、土地所有者等が指定調査機関に調査を行わせ、その結果を都道府県知事に報告することが義務づけられています。
 また、都道府県によっては土壌汚染対策法にさらに上乗せ事項が付加されているところもあります。土壌汚染対策法や条例等による調査以外にも、土地売買、ISO14000s、企業CSR等のための自主的な調査も行われています。
 土壌汚染対策法に基づく調査は、その結果によってその土地に対する土壌汚染対策の方針が左右されるため、信頼できる調査結果を確保しなければなりません。そこで、調査を的確に実施することができる者を環境大臣又は都道府県知事が指定し、土壌汚染対策法に基づく土壌汚染の調査は、その指定を受けた者のみが行うことになっています。弊社は山梨県内においていち早く指定(指定番号2020-3-0036)を受け土壌汚染の調査業務を行っています。

土壌汚染状況調査のフロー 株式会社萩原ボーリング ハギボー PDF

土壌汚染対策法についてより詳しく知りたい方は、下記リンクをご参照ください。

調査内容

地歴調査

 地歴調査の目的は、試料採取等対象物質の種類の特定と土壌汚染のおそれの区分を行うことです。過去から現在までの土地利用状況、特に特定有害物質の使用または保管に係わる情報を収集・把握します。
 情報収集は「資料収集」、「聴取調査」、「現地確認」等によって行います。収集する資料は土地・建物の登記簿、空中写真、建物施設配置図、排水経路図、取扱い物質のSDSなど(資料調査において入手・把握すべき資料の種類(参考例) で、聴取調査と現地確認により土地所有者等や行政から情報を入手します。

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 資料調査

▲資料調査

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 聞き取り調査

▲聴取調査

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 現地踏査 サイト イメージ

▲現地踏査

 試料採取等対象物質の種類の特定を行った上で、次のように土壌汚染のおそれの分類を行います。

  • ①土壌汚染の存在するおそれがないと認められる土地
    ⇒試料採取は不要です。
  • ②土壌汚染の存在するおそれが少ないと認められる土地
    ⇒試料採取は一部対象区画毎(30m格子)で行います。
  • ③土壌汚染の存在するおそれが比較的多いと認められる土地
    ⇒試料採取は全部対象区画毎(10m格子)で行います。

土壌ガス調査

 第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の場合、地表下0.8~1.0mの土壌ガスを採取しガス濃度を測定します(土壌ガスが採取できない場合は地下水を採取します)。土壌ガスが検出された場合、土壌ガス濃度が相対的に高い地点(必要に応じて絞り込みを行う)で深度10mまで(難透水性の地層がある場合はその上部まで)のボーリング調査を行い、土壌溶出量を測定します。

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査  土壌ガス採取状況

▲土壌ガス採取状況

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査  土壌ガスオンサイト分析状況

▲土壌ガスオンサイト分析状況

土壌溶出量調査・土壌含有量調査

 第二種特定有害物質は表層5cmおよび深さ5~50cmの土壌を採取し、2深度の試料を等量混合した試料について土壌溶出量および土壌含有量を測定します。
 第三種特定有害物質は第二種特定有害物質と同様の試料について土壌溶出量を測定します。

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 ハンドオーガー 試料 採取 状況

▲ハンドオーガーによる試料採取状況

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 土壌分析 採取孔

▲採取孔

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 土壌分析 ICP発光分光分析法装置

▲土壌分析(ICP発光分光分析法装置)

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 土壌 均等 混合 試料 作成

▲表層5cmと深さ5~50cmの土壌の均等混合試料の作成
(出典:土壌汚染対策法ガイドライン)

ボーリング調査

 第一種特定有害物質では土壌ガス調査で土壌ガスが検出された場合、土壌ガス濃度の相対的高濃度地点で深さ10mまでのボーリング調査を行い、各深度で土壌溶出量を測定することで土壌汚染の有無を判定します。第二種、第三種特定有害物質では表層土壌調査によって土壌汚染の有無が判定されるため、ボーリング調査は対策工事のための詳細調査として位置づけられます。

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 第一種特定有害物質 ボーリング調査

▲第一種特定有害物質におけるボーリング調査
(出典:土壌汚染対策法に係る技術的事項について(答申))

株式会社萩原ボーリング ハギボー 土壌汚染調査 ボーリング調査作業全景

▲ボーリング調査作業全景

対象となる特定有害物質の種類(参考資料) 株式会社萩原ボーリング ハギボー PDF

対策工事

 表層土壌調査で基準不適合となった場合、対策工に応じて当該単位区画毎に深度調査(土壌汚染の鉛直分布調査)を行います。これにより、汚染範囲および汚染土量を確定します。
 対策工には地下水の水質測定、原位置不溶化、不溶化埋め戻し、原位置封じ込め、遮水工封じ込め、遮断工封じ込め、地下水汚染の拡大防止、土壌汚染の除去、原位置浄化、盛土、舗装、区域内土壌入れ換え、区域外土壌入れ換えなどがあります。
 土壌汚染に対する各措置の諸元と適用性は次表のとおりである。

土壌汚染に対する各措置の諸元とサイトへの適用性 株式会社萩原ボーリング ハギボー PDF

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